【5月18日 AFP】写真は、米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニ(Cassini)が撮影した、土星の環のうちA環内にある、土星の衛星「ダフニス(Daphnis)」。写真の右側にあるA環の「キーラーの間隙(Keeler Gap)」に小さな点として存在しており、ダフニスが引き起こす環の波の中に埋もれてしまってほとんど見えない状態となっている。

 ダフニス(直径8キロ)の軌道は土星の環平面に対し傾いている。ダフニスの重力により環を構成する物質が引っ張られ、キーラーの間隙が作り出されているほか、環の端が放射状かつ環の外に向け波のように盛り上がっている。キーラーの間隙内の物質はダフニスよりも早いスピードで周回しており、環の波はダフニスを先導する形となっている。一方、外側にある物質はダフニスよりも遅いスピードで周回しており、波はダフニスを追いかける形となっている。

 写真中央部には、キーラーの間隙よりも大きい「エンケの間隙(Encke Gap)」が見える。この写真は、2010年1月7日にカッシーニが可視光線で撮影したもので、環平面の下約16度から撮影されている。(c)AFP