【4月29日 AFP】(一部訂正)火星と木星の軌道の間で太陽の周りを公転している小惑星に氷と有機化合物があることが初めて確認された。米ジョンズ・ホプキンス大(Johns Hopkins University)とセントラルフロリダ大(University of Central Florida)の研究チームがそれぞれ28日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。

 両チームはそれぞれ、ハワイにある米航空宇宙局(NASA)の赤外線望遠鏡を使い、直径200キロの小惑星「24テミス(24 Themis)」の表面が薄い氷で覆われていることを発見した。

 長い間、約40億年前にすい星や小惑星が地球に衝突し、生命体にとって必要不可欠な水や炭素系分子がもたらされたと考えられてきたが、今回の発見は初めて、その仮説に確固たる証拠を示したことになる。

 ただ、謎も残る。表層の氷を解かしてしまうほどの温度を持つ小惑星に、どのようにして何十億年も氷が存続することができたのか。

 この謎について研究チームは、24テミスは間違いなく想像以上に多くの水を保持しており、内部からゆっくりと供給される水蒸気によって継続的に表層の氷を補っていると説明している。(c)AFP/Marlowe Hood