【3月26日 AFP】これまで北半球にのみ生息していたと考えられてきた肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tレックス、Tyrannosaurus rex)が、南半球にも生息していた可能性があるとする論文が、25日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 英ケンブリッジ大(University of Cambridge)などの研究チームによると、オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州で、Tレックスの祖先のものと見られる全長30センチの恥骨が発見された。このティラノサウルス類は、Tレックス同様に大きな頭部と小さな腕を持っていたが、体長約3メートル・体重約80キロと非常に小型で、約1億1000万年前の白亜紀に生息していたと考えられるという。

「見つかったのは骨1つのみだが、約1億1000万年前に小型のティラノサウルス類が世界中に分布していた可能性を示している。Tレックスの進化の過程を知る重要な発見だ」と研究者ら。

 この骨は、ティラノサウルス上科がその進化の歴史の早い段階で南半球に到達していたことを物語っており、研究者らはこれらの化石が今後アフリカ、南米、インドでも発掘されるのではと期待している。(c)AFP