【3月17日 AFP】海洋生物に脅威となっている北極海の酸性度の上昇を調べるため、英探検家3人が15日、スキーで流氷500キロを横断する探検に出発した。

 極地探検家アン・ダニエルス(Ann Daniels)氏が率いるチームは、カナダ極北部の宿泊地へ向けて北進した。国際科学ミッション「カトリン北極調査(Catlin Arctic Survey)」のためにデーターやサンプルを収集する。

 探検チームは今後2か月間、最大重量120キログラムのそりを引きながら、気温がマイナス75度にまで下がる中、氷の山を越え、氷の合間を泳いで渡ることになる。最終的には、航空機で先行した研究者らと合流する。

 今回の探検について、ダニエルス氏は声明で、地球上のもう1つのCO2問題とよばれる海洋の酸性化問題に焦点をあてたものだと述べた。

 2050年までに酸性・アルカリ性の度合いを示すpH値が過去2000万年間で最も高い数値を記録することになるとの予測もある。仮にその数値にまで上昇した場合、ロブスター、カニ、カキなどの甲殻類や貝類など海洋生物が殻を形成するために必要な炭酸塩鉱物が得られにくくなるという。(c)AFP

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