【3月5日 AFP】初期の恐竜に最も近い爬虫(はちゅう)類シレサウルス類の新種の化石がタンザニアで見つかったとする論文が4日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。恐竜の起源が従来の説より1000万年以上さかのぼる可能性を示唆しているという。

 スワヒリ語とギリシャ語の造語で「古代のトカゲの始祖」を意味するアジリサウルス・コングウェ(Asilisaurus kongwe)と名付けられたこの新種は、全長1~3メートル、体重10~30キロで、腰の高さは人間の腰のあたり。四足歩行し、三畳紀中期の2億4000万年前ごろに生息していた。

 恐竜の起源はこれまで、1億6500万年前とされてきた。

 シレサウルス類は恐竜の近縁にあたり、進化上の関係は、ゲノムの99%が同じ人間とチンパンジーの関係と似ているという。シレサウルス類と恐竜は、ほぼ三畳紀(2億5000万年~2億年前)を通じて共存していたと見られる。

 研究者らは今回、アジリサウルス・コングウェ14体の骨の化石を発見し、頭と前足の一部を除くほぼ完全な全身骨格を再現できた。歯の形状と、くちばしのようにとがった下あごから、雑食性であったと考えられる。科学者らは、最初は肉食だったが生存のチャンスを高めるため雑食性へ進化したのではと推測している。(c)AFP