【2月25日 AFP】(一部訂正)地球から600光年の距離にある恒星がその惑星の1つを少しずつ食しつつあるとする研究結果が、24日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 北京大学(Peking University)の研究チームによると、この惑星はぎょしゃ座の恒星WASP-12の周りを公転するWASP-12bで、昨年発見されたばかり。巨大ガス惑星で、太陽系最大の惑星である木星に比べ、質量は約1.4倍、半径は約1.8倍にのぼる。

 木星の公転周期が約12年であるのに対し、WASP-12bの公転周期はわずか26時間と非常に短い。恒星の極めて近くを公転していることから、その引力によりラグビーボールのような形にひずんでいる。また、灼熱によりガス層がはぎ取られ、質量が恒星に奪われているのだという。

 研究は、奪われた物質が恒星を円盤状に取り囲み、その存在によってWASP-12bの公転軌道が卵形になっていると指摘する。太陽の近くを公転する惑星の大半は、もっと丸い軌道を描いている。

 WASP-12bのような「ホット・ジュピター」とよばれる惑星は、恒星の近くに位置し、その熱により非常に高温になる。惑星が水を液体の状態で有するためには、気温が高すぎも低すぎもせず、生命が存在するのに適したいわゆる「ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks zone)」が必要。(c)AFP