【2月12日 AFP】メキシコ中部のイダルゴ(Hidalgo)州とプエブラ(Puebla)州で10日、住民たちが目撃した上空の大爆発と火の玉は、実は大気圏に再突入したロシアの人工衛星の残がいだったことを、メキシコの専門家らが明らかにした。

「ロシアの人工衛星の残がいがメキシコ上空を通過する可能性があることは、米国防総省の目録で知っていた」と11日、メキシコの宇宙局創設を推進する中心的人物でエンジニアのフェルナンド・デ・ラ・ペーノ(Fernando de la Peno)氏は語った。
 
 10日、住民らからは現地メディアや警察に「巨大ないん石」の目撃情報が寄せられた。多くの人が爆発とともに揺れを感じたと証言し、燃える物体が落下し、地面が吹き飛ばされて巨大なクレーターができたという報告さえあった。翌日の現地では徹底した調査が行われたが、なにも見つからなかった。

 デ・ラ・ペーノ氏によると落下物は、ロシア海軍が2006年6月に打ち上げ、2年後に故障し15個の部分に分解した軍事偵察衛星「Cosmos 2421」の残がいとみられる。(c)AFP