【2月4日 AFP】地上にある比較的小型の天体望遠鏡で生物が暮らせる太陽系外惑星の探索ができるようになるかもしれない――このような論文が3日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 1995年以降、我々の太陽以外の恒星の回りを公転する惑星、いわゆる太陽系外惑星が400個以上見つかっている。しかし木星のような巨大ガス惑星ばかりで、我々の地球と同じように水がある岩石惑星は1つも見つかっていない。

 生物が暮らせるような惑星を探すには、惑星が反射した光を分析して目標の惑星の大気を調べることが不可欠だ。これまでは軌道上の宇宙望遠鏡が使われていたが、コストが高く、他のプロジェクトとの兼ね合いで十分な観測時間を確保できないという問題があった。

 独マックス・プランク天文学研究所(Max Planck Institute for Astronomy)客員研究員である米航空宇宙局(NASA)のマーク・スウェイン(Mark Swain)氏らの研究チームは、こぎつね座(Vulpecula)にある地球から63光年先の「HD 189733b」という巨大ガス惑星の観測データを分析して大気上層にメタンが存在することを確認できたという。

 このデータは、米ハワイ(Hawaii)に設置された口径3メートルの赤外線望遠鏡が2007年に観測したもの。研究チームは惑星が恒星に隠れる前後の光の差分から惑星自体の光のスペクトルを得て、さらに光が地球の大気を通過した際の影響も補正した。

 スウェイン氏は、地上にある、より大型の天体望遠鏡の観測データをこの手法で分析すれば、遠い将来になるかもしれないが、地球に似た太陽系外惑星を見つけられるかもしれないと期待を寄せている。(c)AFP