【1月14日 AFP】世界の主要作物の1つである大豆のゲノムを解析したとする論文が13日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。収量の多い品種や害虫に強い品種の開発にはずみがつくことが期待される。

 米国を中心とする18の研究機関が15年計画で解析を行っているもので、DNA二重らせん構造の「横木」にあたる「塩基」の数は11億対であることが判明。うち85%の解析が終了した。

 これまでに4万6000種以上の遺伝子を特定したが、この中には水や日光、二酸化炭素、窒素、無機物をエネルギーとタンパク質に変換するのに関わっている遺伝子も含まれている。

 重要な発見の1つが、大豆の収量を80%も減少させるアジア大豆さび病への抵抗力を与えると考えられる遺伝子の発見だ。

 そしてもう1つは、脂質代謝に関係する1000以上の遺伝子が特定されたことだ。これらの遺伝子を操作することで、大豆油の収量を上げ、バイオディーゼル燃料としての用途を増やすことも可能になってくるという。

 同じく主要作物であるコメ、トウモロコシ、ブドウのゲノムは既に解読されている。(c)AFP