【1月4日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「スピリット(Spirit)」が3日、火星での活動開始から6年を迎えた。NASAでは水があった可能性を示す痕跡の発見など、そのさまざまな功績を祝福したが、スピリットは現在、火星の土砂に車輪を取られ立ち往生しており、まもなく活動停止に追い込まれる可能性がある。

 スピリットは予想されていた稼動期間3か月を大きく超えて活躍してきたが4月、火星南半球にあるクレーター「トロイ(Troy)」の縁にひっかかり、動かなくなってしまった。

 車体重量180キロを支える6個の車輪のうち右前輪は、おそらく部品消耗が原因で2006年に故障しており、その後スピリットは残る5個の車輪で活動していた。

 スピリットを脱出させようという試みはこれまでのところすべて失敗している。最近では11月にも脱出を試みたが、この際、右後輪も壊れてしまった。

 動きを奪われたまま、スピリットの動力源であるソーラーパネルには火星の砂やちりが積もりつつあり、バッテリーのチャージが困難になっている。そうしたちりを風が吹き飛ばすか、なんらかのエネルギー噴射ができれば、日当たりのよい方向にパネルの向きを変えられるのだが、NASAのウェブサイトによると、火星の夏至である5月までは日照時間も減る一方だという。

 このことから「火星の冬」の間にスピリットは電力不足で、活動できなくなるかもしれない、とNASAは発表している。(c)AFP