【12月24日 AFP】米ニューヨーク(New York)で2人の高校生が行った調査から、新種のゴキブリが市内で繁殖している可能性が浮上した。

 ブレンダ・タン(Brenda Tan)さん(17)とマット・コスト(Matt Cost)さん(18)は、ロックフェラー大学(Rockefeller University)のマーク・ストークル(Mark Stoeckle)教授(ゲノム学)の指導の下でDNAの調査を実施。2008年11月~09年3月にニューヨークのアパート、店舗、道路などから、スーパーマーケットで売られていた食品、果物の箱に入っていた虫の死がい、清掃用具についていた羽毛、乾いたふん、ゴキブリなど、217サンプルを集めた。

 2人はサンプルを米自然史博物館(American Museum of Natural History)に送り、遺伝子データベース「バーコード・オブ・ライフ(Barcode of Life)」と「ジェンバンク(GenBank)」によってDNAを調べた。その結果、95種の生物がいたことが確認されたが、その中には意外なものもあった。

「掃除用具に付いていた羽毛からダチョウのDNAが見つかった。『チョウザメのキャビア』というラベルが付いていたのはチョウザメとは別の、奇妙な形をしたヘラチョウザメの卵だった。人気のアジア風おつまみの正体は巨大なアカイカで、イヌ用ビスケットからバイソンのDNAが検出された」と、2人はロックフェラー大のウェブサイトで明かしている。

 ヒツジの乳で作ったとされるチーズの原料が実は牛乳だったなど、食品ラベルの16%が不正確なことも分かった。中には食品アレルギーがある人の命にかかわりかねない間違いもあったという。

 しかし、研究者らにとって最も驚きだったのは、「遺伝的に特徴のある謎のゴキブリ」かもしれない。見た目はワモンゴキブリ(学名:periplaneta americana)と似ているが、その遺伝子はデータベースにあったワモンゴキブリのそれとは4%以上も異なっていた。Stoeckle教授によると新種の可能性もあるという。(c)AFP

【参考】ロックフェラー大の「DNAHouse」ページ(英語)