【12月10日 AFP】前週、水温調査を行って気候変動を観測するため、世界で初めて大西洋の海中を横断したロボット「スカーレット・ナイト(Scarlet Knight)」が9日、スペインから米国に返還された。

 翼のついたロケットのような形をした黄色い水中グライダー、スカーレット・ナイトは、わずか1個のバッテリーと海流を利用して、米東海岸ニュージャージー(New Jersey)州からスペイン北西部ガリシア(Galicia)州までの7400キロを、225日間かけて渡りきった。

 スカーレット・ナイトは4日、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が最初の米国探検から帰還した際に上陸した、スペインのバイオナ(Baiona)に到着した。

 バイオナで9日に開催された式典では、スペインのホセ・ブランコ(Jose Blanco)運輸相がスカーレット・ナイトを、米ホワイトハウス科学技術政策局(White House Office of Science and Technology Policy)のジェリー・ミラー(Jerry Miller)氏に引き渡した。

 スカーレット・ナイトは、水深200メートルまで潜行可能で、嵐などにも対応が可能。海流や塩分濃度、水温などを調査していた。

 今後は、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のスミソニアン博物館(Smithsonian Museum)に展示されるが、バイオナにもレプリカが展示されるという。(c)AFP