【10月14日 AFP】中国と英国の共同調査隊は、今年中国北東部で発掘したカラス大の化石が「空飛ぶ爬虫(はちゅう)類」で知られる「旋竜」の新種であることが判明したと、14日の英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表した。謎の多い旋竜をめぐる理解の溝が埋まることが期待される。

 この新種は、チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が今年で生誕200周年を迎え、「種の起源(On the Origin of Species)」出版150周年にもあたるのを記念して「Darwinopterus modularis」と名付けられた。

 化石は、ジュラ紀中期とジュラ紀後期の境目にあたる1億6000万年前ごろの岩盤から発掘された。最古の鳥類とされる始祖鳥より少なくとも1000万年さかのぼることになる。

「Darwinopterus」は、原始的で尾羽が長い旋竜(「翼竜」と呼ばれることもある)と、その子孫で尾羽が短くより洗練され、巨大化することもあった初期の鳥類との中間にあたると考えられる。

 中国地質科学院地質研究所の呂君昌(Junchang Lu)氏率いる調査隊は、短期間の目まぐるしい特徴の変化から、旋竜は爆発的な進化を何度も繰り返していったと考えている。

「Darwinopterus」は、長いあご、鋭い歯、よく回る首を持っており、空を飛びながら小型ほ乳類や鳥類の祖先である羽の生えた小型恐竜をとらえ、捕食していた可能性を示している。

 なお、頭と首が最初に進化したあとで、胴体、尾羽、翼、足が進化していったと見られるという。(c)AFP