【10月9日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は9日、月における水の有無を調べるため、手荒い形での月面帰還を計画している。月面探査機「エルクロス(Lunar Crater Observation and Sensing SatelliteLCROSS)」を月面に衝突させるというものだ。

 2段式の探査機エルクロスは本体と上段部のセントール(Centaur)ロケットで構成されている。グリニッジ標準時で9日の午前11時30分(日本時間同午後8時30分)、まず本体から分離されたセントールロケットが、その4分後にエルクロスが、それぞれ時速9000キロの超高速度で月の南極付近にあるクレーター「カベウス(Cabeus)」から約10キロ地点に衝突。衝撃地点に水分や氷が含まれていないかを観測する。

 衝撃後、光が30秒間発せられる見込み。

 重量891キロのエルクロスはカメラを搭載しており、衝突の様子は地球へ中継される。

 衝突計画は、2020年を目標に、再び米国人による月面着陸を目指すNASAコンステレーション(Constellation)計画の一環。

 一方、衝突計画の動きに反対するグループは、「do not bomb the moon(月に爆弾を落とすな)」と名付けたウェブサイトを立ち上げ、計画中止を求める運動を展開している。(c)AFP/Jean-Louis Santini


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