【9月28日 AFP】中国で2008年5月12日に起きた四川大地震(マグニチュード7.9)は、4000年に1度の大災害だったとする報告を、中国地震局(China Earthquake AdministrationCEA)の研究チームが27日発行の英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」で発表した。
 
 同チームによると、四川大地震の特徴は強い地震波、特殊な地質、地中の3つの「バリア」が衝撃に耐え切れなかった点にある。

 チームは全地球測位システム(GPS)のマーカーと、人工衛星に搭載された干渉合成開口レーダーからのデータを統合し、地震によってえぐられた四川(Sichuan)盆地の北西縁部に位置する龍門山(Longmen Shan)断層帯の分布図を作った。

 研究チームによると、地表下の構造は複雑で断層帯に沿って大きく変化し、南西部では断層面はやや北西に傾斜しているが、北東部に向かうにつれ垂直近くまでずり上がる。

 この条件に加え、断層に沿って揺れは変化した。地震発生直後は突き上げるような縦揺れで、下にあった岩盤層が押し上げられ、上部の地層の上に乗り上げた。さらに、同じく断層に沿って、横ずれ運動と呼ばれる横揺れに変化した。

 さらに、長年持ちこたえてきた断層の3か所の接合点が、四川省ブン川(Wenchuan)県映秀(Yingxiu)鎮南西30キロで本震の発生した日に大打撃を受けた。

 地震波によるエネルギーが断層に沿って上昇し、映秀鎮、北川(Beichuan)、南■(Nanba)の岩盤を打ち砕いた。この断層では四川大地震最大のずれが生じたほか、死者も集中した。

 映秀鎮、北川(Beichuan)、南■は、それまで「バリア」となっていたが、一度の大地震で粉砕され、他の断層も破壊されたという。

 同報告では「複数の地区で同時にバリアが壊れ、亀裂の入る地震が発生するのは4000年に1度」と推計している。(c)AFP


*ブン川の「ブン」は、さんずいにつくりが「文」
*■は土へんに、つくりが具