【9月2日 AFP】オーストラリアに生息するレンジャクバト(学名:Ocyphaps lophotes)は、危険を察知して飛び立つときに、羽ばたきで「口笛」のような音を発生させ、仲間に秘かに危険を知らせることが、オーストラリア国立大学(Australian National University)の生物学者らの実験で分かった。実験結果は、英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」にこのほど発表された。

 レンジャクバトが、飛び立つときに金属性の音を出すことは良く知られているが、この音には何らかの目的があるのかなどの分析や探求を試みた研究はこれまでなかった。

 同大のチームは、餌台にレンジャクバトをおびき寄せ、作り物のタカを背後から投げつけたときと、そうした脅威がないときで、飛び立つ時の音を録音した。

 次に、これら2つの音を15の鳥の群れに聞かせたところ、1つ目の音では鳥たちがパニックを起こして空に飛び立ったが、2つ目の音では何らの混乱も起きなかった。

 人間の耳には2つの音は単純で同一に聞こえるが、音響を分析すると2つの間には極めて複雑だがはっきりとした違いがあることが分かった。

 2つの音はともに2種類の音調と無調の羽ばたきで構成されているが、危険を知らせる方の音は、そうでないときの音よりも大きく、テンポも早いため、ハトは2つの音の違いが容易に分かるという。(c)AFP