ダニのだ液はがん特効薬になりうる、ブラジル研究
このニュースをシェア
【9月1日 AFP】ダニは不快なものだが、将来的には皮膚がん、肝臓がん、すい臓がんなどの特効薬を生み出す可能性があるとの研究が、このほど発表された。
ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のブタンタン研究所(Instituto Butantan)の分子生物学者、Ana Marisa Chudzinski-Tavassi氏率いる研究チームは、南米に一般的に生息するダニ(学名:Amblyomma cajennense)の唾液(だえき)中のタンパク質に着目した。
このタンパク質には、ダニが宿主の血を吸い続けられるよう、血液の凝固を防ぐ作用がある。また血液凝固反応を阻害するために臨床で使用される組織因子経路阻害剤(TFPI)の性質もいくつか持っている。
研究チームは、これががん細胞に及ぼす影響を探るため、腫瘍(しゅよう)を持ったマウスで実験を行った。ダニのタンパク質を投与し続けたところ、14日目では腫瘍の大きさは変わらなかったか、縮小を始めていた。投与を42日間続けたマウスでは、腫瘍は完全に消滅していた。一方で、正常な細胞には全く異常が起きなかったという。
ちなみにダニのだ液は、体を膨らませたダニを研究室に一列に並べ、頭の下に差し込んだストローで地道に回収。これらをイースト菌を使って何度も再生し、実験に使用するだけの量を確保した。(c)AFP/Marc Burleigh
ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のブタンタン研究所(Instituto Butantan)の分子生物学者、Ana Marisa Chudzinski-Tavassi氏率いる研究チームは、南米に一般的に生息するダニ(学名:Amblyomma cajennense)の唾液(だえき)中のタンパク質に着目した。
このタンパク質には、ダニが宿主の血を吸い続けられるよう、血液の凝固を防ぐ作用がある。また血液凝固反応を阻害するために臨床で使用される組織因子経路阻害剤(TFPI)の性質もいくつか持っている。
研究チームは、これががん細胞に及ぼす影響を探るため、腫瘍(しゅよう)を持ったマウスで実験を行った。ダニのタンパク質を投与し続けたところ、14日目では腫瘍の大きさは変わらなかったか、縮小を始めていた。投与を42日間続けたマウスでは、腫瘍は完全に消滅していた。一方で、正常な細胞には全く異常が起きなかったという。
ちなみにダニのだ液は、体を膨らませたダニを研究室に一列に並べ、頭の下に差し込んだストローで地道に回収。これらをイースト菌を使って何度も再生し、実験に使用するだけの量を確保した。(c)AFP/Marc Burleigh