【8月26日 AFP】恐竜化石の発掘で実績のあるカナダの古生物学者が、ニワトリの胚(はい)を操作して恐竜を誕生させる可能性を示す計画を練っている。

 カナダ・マギル大学(McGill University)のハンス・ラーソン(Hans Larsson)氏は、数百万年前に絶滅した恐竜の特徴をニワトリに再現することを目指す。具体的には、ニワトリの胚の成長段階で特定の遺伝子を操作し、恐竜の骨格を再現させる計画だ。

 研究は、最終的には本物の恐竜を誕生させることが可能かもしれない。ラーソン氏はしかし、倫理面・実際面の問題から、そのような大規模な実験は今のところ考えていないと言う。

 この10年間鳥類の進化を研究してきたというラーソン氏は、研究の目的はあくまでも「進化のデモンストレーション」だと主張する。恐竜の骨格の発達を鳥類でも再現できることを明確に示せれば、鳥類が恐竜の直系の子孫であることを証明できるという。

 このようなアイデアは、米国の著名な古生物学者で映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』シリーズのテクニカルアドバイザーも務めたジャック・ホーナー(Jack Horner)氏と話していた際に浮かんだという。ホーナー氏は近著『How to Build A Dinosaur(恐竜の作り方)』の中で、「チキノザウルス」を模索する上でのニワトリの胚の実験について言及している。(c)AFP