【8月18日 AFP】世界中の山の標高がある程度まで抑えられている主な要因は、構造プレート同士の衝突による隆起ではなく、気候であるとする研究結果が13日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 デンマークのオーフス大学(Aarhus University)の研究チームは、世界の山脈のデータを集めて1つのモデルを作り、これを数学的にシミュレーションした。その結果、頂上は一般的に、雪線(せっせん)の上1500メートルを超えることはないことが分かった。

 このことは、世界を代表する高峰が北極、南極周辺には1つもないことも説明できる。つまり雪線の高度は低緯度ほど高くなるのだ。例えば赤道地帯では、氷河は標高5000メートル以上にしか形成されないが、カナダやノルウェー、チリ、ニュージーランドではこれが1000メートル程度にまで下がる。

 ヒマラヤ山脈から小さな山々まで、世界中の山脈は構造プレート同士が衝突して隆起したとき、下から上へと発達するが、その後は気候に起因した力が頂上を削っていくことになる。

 ただ、いくつかの例外はある。南極横断山脈の標高は、雪線の上1500メートルをはるかに超えている。おそらく、気温が極めて低いために氷河が硬くなり、侵食が不可能になったためと考えられる。

 もう1つは、火山だ。氷河が溶岩を破壊する速度よりも溶岩が堆積する速度が上回っているためと考えられる。(c)AFP