【7月14日 AFP】ネコが何か要望があって飼い主に対してのどをごろごろと鳴らすときは、通常の柔らかく低い音声にあわせて、無視しにくい高音程の音声を発していると、英研究者が14日、発表した。

 研究によると、この高周波部分は鳴き声と似ていることがわかった。ネコは食事がほしい場合などに、通常ののどを鳴らす音に合わせて、この高周波を混ぜているという。

 英国南部のサセックス大学(University of Sussex)のカレン・マコーム(Karen McComb)教授は、飼いネコの「ペポ」に朝、たびたび起こされることがあったので、この研究を始めたと語った。

「どうしてのどをごろごろ鳴らす音が、これほど気に障るもので、無視できないのかと疑問に思ったんです。共同執筆者のアンナ・テイラー(Anna Taylor)さんを含むネコ友だちと話していて、ほかのネコも同じような行動をとっている場合があることを知りました」(マコーム教授)

 マコーム教授の研究チームは、空腹時のネコが発する高周波成分を含んだ「懇願タイプ」ののどをごろごろ鳴らす音と、通常時の「懇願タイプではない」ごろごろ音の両方を人に聴かせ、反応を見る実験を行った。

「ネコを飼ったことの無い人でも、食べ物を求めているネコがのどを鳴らす音の方が、懇願していない時の音を同じ音量で聴かせた場合より、緊急性があり不快だと感じた」(マコーム教授)

 ネコの音声からこの高周波部分を取り除くと、緊急性を感じる度合いが顕著に減少したという。

 実験結果からマコーム教授は、ネコが、ニャーニャーと鳴き声をあげて飼い主をいらつかせる危険性を避けつつも意思を示すために、特別なのどの鳴らし方を用いていると結論づけた。

 しかしながら、この結果は飼い主と1対1の関係で暮らしているネコにのみ当てはまるとみられる。同居人の多いネコは、ほとんどの場合、意思表示をするために声をはりあげないといけないからだ。(c)AFP