【7月13日 AFP】米カリフォルニア(California)州のサンアンドレアス(San Andreas)断層の地下深くで微小地震が急増しており、大地震の前兆である可能性があるという研究が、10日の米科学誌「サイエンス(Science)」で発表された。

 研究を発表した米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)の地震学者ロバート・ナドー(Robert Nadeau)氏によると、同州パークフィールド(Parkfield)近郊のサンアンドレアス断層の微小地震を分析した結果、そうした結論を得たという。

 ナドー氏は、2003年のマグニチュード(M)6.5のサンシメノン(San Simeon)地震と04年のM6.0のパークフィールド地震の後、弱い地震の頻度が増したサンアンドレアス断層の「固着セグメント」の境界部地下における応力が高まっていると語る。サンシメノンとパークフィールドはいずれもサンフランシスコ(San Francisco)とロサンゼルス(Los Angeles)の中間に位置する。

 「固着セグメント」とは、数年間にわたって動きがなく、大地震が発生する危険性が高い断層の一部分。

 ナドー氏らの研究チームは、微小地震の急増は、1857年に起きたM7.8のフォート・テフォン(Fort Tejon)地震の際にできたサンアンドレアス断層のセグメントに沿って、以前よりも急速に応力が高まっていることを示していると指摘している。

 サンアンドレアス断層は、米国最大の人口を誇るカリフォルニア州西部の大部分を通っている。今後30年間でカリフォルニア州で大規模な地震が発生する可能性は70%と予測されている。(c)AFP