【6月25日 AFP】土星の衛星エンケラドス(Enceladus)の巨大な間欠泉が噴き出している地殻の下に、塩水の海がある可能性が高いとする論文が、25日発行の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。太陽系に地球外生命が存在する可能性が高まったとしている。

 ドイツ・ハイデルベルク大学(University of Heidelberg)などの研究チームは、米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニ(Cassini)が搭載する宇宙塵分析器(Cosmic Dust Analyzer、CDA)のデータを分析した。

 その結果、エンケラドス南極付近から噴き出す高さ数百キロに及ぶ水蒸気の氷の粒子に、相当量のナトリウム塩が含まれていることを発見した。チームは、エンケラドスの表面の氷の下に液体の海が存在することを示す最強の証拠だとしている。

 これまで、直径500キロと小型のエンケラドスには、生命の誕生に不可欠な3つの要素のうち2つ――エネルギー源と有機化合物――があることは知られており、残るは「液体」だった。(c)AFP/Marlowe Hood