35億年後、地球が火星と衝突する?パリ天文台が試算
このニュースをシェア
【6月11日 AFP】惑星の軌道のズレが原因で将来、地球が金星か火星と衝突し、太陽系が滅亡する可能性がある――。10日の英科学誌『ネイチャー(Nature)』にこのような研究が発表された。
ただ、衝突の可能性は2500分の1と極めて低い上、少なくとも今後35億年間は発生しない見込みだという。
■一般相対性理論も考慮して計算
太陽系の惑星の動きについてはこれまで、数千年後までなら正確に予想することができたが、数千万年後ともなると予測不可能だった。
今回、パリ天文台(Observatoire de Paris)の研究員、ジャック・ラスカル(Jacques Laskar)氏とミカエル・ギャスティノー(Mickael Gastineau)氏は、処理能力の高いコンピューターを使い、今後50億年間の軌道不安定性に関するシミュレーションを作成した。
その際、過去の同様の試算では使われたことのなかったアルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の一般相対性理論を考慮に入れた。この結果、短期予想では惑星の軌道経路にさほど差は見られなかったが、長期予想では顕著な違いが表われたという。
■地球が粉々になるパターンも
シミュレーションでは計2501通りの予想が得られたが、うち25通りは、太陽系に大きな被害をもたらす内容だった。
たとえば、火星が地球のわずか794キロ上空を通過するという予想が出たが、この近さでは地球も火星もバラバラになるため、「衝突」するのとほぼ等しいという。
こうした衝突の可能性をさらに詳しく分析するため、2人は、火星の軌道を少しずつ変えた200通りでシミュレーションを行った。
すると、このうち195通りで、太陽、地球、水星、金星、火星のうちの2星間で衝突が発生するとの試算が得られ、地球が粉々になる大規模な衝突は、そのうちの4分の1に上った。
■カギを握るのは水星?
惑星同士の衝突という事態が発生するか否かの「かぎ」を握るのは、太陽に最も近い水星だという。質量が小さいため、太陽系惑星の中で最も早く不安定化する可能性があるというのだ。
そして、水星の軌道が木星の軌道と共鳴するようなことにもなれば、質量がはるかに大きい木星の角運動量(Angular Momentum、物体が持っている回転の強さ)は、軌道の内側にある惑星全ての軌道をめちゃくちゃにしてしまうという。(c)AFP/Marlowe Hood
ただ、衝突の可能性は2500分の1と極めて低い上、少なくとも今後35億年間は発生しない見込みだという。
■一般相対性理論も考慮して計算
太陽系の惑星の動きについてはこれまで、数千年後までなら正確に予想することができたが、数千万年後ともなると予測不可能だった。
今回、パリ天文台(Observatoire de Paris)の研究員、ジャック・ラスカル(Jacques Laskar)氏とミカエル・ギャスティノー(Mickael Gastineau)氏は、処理能力の高いコンピューターを使い、今後50億年間の軌道不安定性に関するシミュレーションを作成した。
その際、過去の同様の試算では使われたことのなかったアルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の一般相対性理論を考慮に入れた。この結果、短期予想では惑星の軌道経路にさほど差は見られなかったが、長期予想では顕著な違いが表われたという。
■地球が粉々になるパターンも
シミュレーションでは計2501通りの予想が得られたが、うち25通りは、太陽系に大きな被害をもたらす内容だった。
たとえば、火星が地球のわずか794キロ上空を通過するという予想が出たが、この近さでは地球も火星もバラバラになるため、「衝突」するのとほぼ等しいという。
こうした衝突の可能性をさらに詳しく分析するため、2人は、火星の軌道を少しずつ変えた200通りでシミュレーションを行った。
すると、このうち195通りで、太陽、地球、水星、金星、火星のうちの2星間で衝突が発生するとの試算が得られ、地球が粉々になる大規模な衝突は、そのうちの4分の1に上った。
■カギを握るのは水星?
惑星同士の衝突という事態が発生するか否かの「かぎ」を握るのは、太陽に最も近い水星だという。質量が小さいため、太陽系惑星の中で最も早く不安定化する可能性があるというのだ。
そして、水星の軌道が木星の軌道と共鳴するようなことにもなれば、質量がはるかに大きい木星の角運動量(Angular Momentum、物体が持っている回転の強さ)は、軌道の内側にある惑星全ての軌道をめちゃくちゃにしてしまうという。(c)AFP/Marlowe Hood