【5月16日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の宇宙飛行士らは15日、長時間の船外活動を行いハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space TelescopeHST)のジャイロスコープ(姿勢制御装置)とバッテリーを交換した。

 ハッブルの延命修理のため2回目の船外活動を行ったのは、ハッブルへの飛行が2回目となる機械技師のマイク・マッシミノ(Mike Massimino)飛行士(46)と、米空軍航空機テスト技師のマイケル・グッド(Michael Good)飛行士(46)の2人。

 11日間の今回のミッションで予定されている一連の修理作業の中でジャイロスコープの交換は最も重要なものとされていた。修理作業がすべて終了すれば、ハッブルの運用期間を少なくとも今後5年間延長できる。

 ジャイロスコープを交換するには、複雑な構造の望遠鏡の奥まで入り込まなければならない。2人は動きが厳しく制限される宇宙服を着用して、懸命に背中を伸ばして新しい機器を設置した。ジャイロスコープは2個1組で装置の奥に設置する必要があるが、交換する3組の1つはきちんと並べられなかったため、飛行士たちがその場で調整を行わなければならず、作業時間が長引いた。

 今回の船外活動は7時間56分に及んだ。当初の予定では船外活動は6時間30分ほどだったが、その時間が来た時、地上のミッションコントロールは飛行士らに「残業」を命じ、バッテリー6個のうち3個を交換させた。残りの3個は18日に交換する。

 16日午前には3回目の船外活動が行われる予定。ジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)飛行士(50)と、これが初の船外活動となる地質学者のドリュー・フォイステル(Drew Feustel)飛行士の2人が、紫外線分光器「コズミック・オリジン・スペクトログラフ(Cosmic Origins SpectrographCOS)」を設置し、掃天観測用高性能カメラ(Advanced Camera for SurveysACS)を修理する。(c)AFP/Mark Carreau