【4月23日 AFP】米カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)の大内正己(Masami Ouchi)研究員らの研究チームは22日、巨大なガス雲を発見したと発表した。

 約137億年前のビッグバンからわずか8億年後の初期宇宙に存在していたと見られる。邪馬台国の女王にちなんで「ヒミコ(Himiko)」と命名された。
 
 米ハワイ(Hawaii)島の国立天文台すばる望遠鏡などの観測データから、ガス雲の存在が明らかになった。ガス雲の大きさは約5万5000光年。天の川銀河の半径に匹敵し、初期宇宙の天体としては記録的な大きさという。

 だが、このガス雲は、これまで発見された天体の中でも最も遠いところにある部類に入り、その正体はつかめていない。 

 天文学者の間では、巨大なブラックホールからエネルギーをもらっているイオン化ガス、または銀河の前段階である巨大なガスの塊だとする説がある。

 2つの若い銀河が、巨大な星が形成される際の影響を受けて衝突し「ヒミコ」が誕生したという説や、これ自体が太陽400億個分の質量を持つ巨大な銀河だという説もある。(c)AFP