【4月22日 AFP】フランス・グルノーブル天文台(Grenoble Observatory)の天文学者らは21日、これまでに発見された中で最も質量の小さい太陽系外惑星を発見したと発表した。また、この惑星と同じ太陽系には、液体の水が豊富に存在する可能性が高い天体も見つかっているという。

 同天文台の天文学者、Thierry Forveille氏によると、太陽系外惑星の研究の究極の目標は「地球と同程度の質量と、液体の水の存在に適した環境という両方の条件を備えた惑星を発見する」ことにある。今回、別々の惑星ではあるがそれぞれの条件を備えた天体が見つかったことで目標に一歩近づいたとしている。

 今回発見された太陽系外惑星「グリーゼ581e(Gliese 581 e)」の質量は地球のわずか2倍。太陽系外惑星は1995年に初めて発見されて以来、これまでに350個程度が確認されているが、グリーゼ581eはそのなかで最も小さい。質量から判断して、地球同様に地殻で覆われている可能性がある。

 グリーゼ581eは、太陽系の中心星に近く、その公転周期はわずかに3.15日。表面は超高温で、白熱しているのはほぼ間違いない。

■液体の水が豊富に存在する可能性

 太陽系外惑星は一定の大きさを超えると、木星のような巨大ガス惑星になることが知られている。グリーゼ581eの近くにある「グリーゼ581d(Gliese 581 d)」は質量が地球の7倍もある。その表面の組成は明らかになっていない。

 だが、グリーゼ581eの発見を受けて新たに計算したところ、グリーゼ581dは、生命を育む上で太陽系の中心星からの距離がちょうどよいとされる、いわゆる「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」にあることがわかった。

 研究に参加したジュネーブ大学(Geneva University)のStephane Udry教授は、グリーゼ581dは質量が大きいため、固体の物質だけでできているのではなく、表面が氷で覆われていたり、大きくて深い海が存在する可能性もあると指摘し、これまでに発見された太陽系外惑星のなかで、液体の水が豊富に存在する可能性が高い初めての天体だとしている。

 これらの新しい知見は、ヨーロッパ南天天文台 (European Southern ObservatoryESO)がチリのラ・シーヤ(La Scilla)天文台に建造した口径3.6メートル望遠鏡で稼動中のHARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)によってもたらされた。(c)AFP/Marlowe Hood and Julien Vinzent