【4月18日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は14日、世界数百万人のコメディーファンからの怒りの声を覚悟して、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)の新モジュールの名称を「トランクイリティ(Tranquility)」にすると発表した。

 数千の名称案をくまなく検討した結果、月の「静かの海(Sea of Tranquility)」にちなんだ名称を選んだという。

 これに先立ち、米風刺報道番組「コルバート・レポート(The Colbert Report)」司会者のスティーヴン・コルバート(Stephen Colbert)さんは、NASAの実施した「ノード3の名前をつけよう(Help Name Node 3)」投票について、自分の名字「コルバート」を番組で提案。ファンらに後押しされ、他の候補を圧倒して「コルバート」を見事優勝に導いていた。

 NASAのビル・ゲルステンマイアー(Bill Gerstenmaier)副長官は声明で、「われわれは米国の宇宙ステーションを、存命中の人名からは採用しない。これには例外がない」と述べた。

 米宇宙飛行士サニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)さん(43)が「コルバート・レポート」に出演して新モジュールの名称を発表すると、観客はブーイングで応じた。

 しかし、ここでウィリアムズ宇宙飛行士は、コルバートさんに対し「あなたの名前は宇宙に出ます」と語りかけ、トレッドミル(ランニングマシーン)に「コルバート」の名称をつけたことを発表した。

「毎日、誰かが運動するためにコルバートに飛び乗ります。だから、宇宙から地球に向けて『コルバートに乗る時間です』という通信が届けられることになるのです」

 コルバートさんはこの発表に対し、まんざらでもなさそうな様子で、「宇宙ステーションがどれほど遠方へ行こうとも、わたしのトレッドミルはいつも、それより数マイル先まで走っていることになるね」とジョークを飛ばした。(c)AFP


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