【4月9日 AFP】チンパンジーのメスは、食べ物を分けてもらえるオスとの性交を好む――独マックスプランク進化人類学研究所(Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology)によるこうした研究結果が、8日のオンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。

 研究チームは、コートジボワールの森で、49頭のチンパンジーの群れを対象に、性交のパターンを3年間にわたり記録した。また、狩りで得た獲物をメスに分け与えるオスについても観察した。

 その結果、メスのチンパンジーは、一度も獲物を分けてくれたことのないオスよりも、一度でも分けてくれたことのあるオスの方とより多く性交をしていることがわかった。つまり、オスはメスに獲物を分け与えることで性交できるチャンスが向上するという。

 こうした結果は、オスのチンパンジーがメスと性交するために獲物をメスに分け与える傾向があり、そうした習慣が長い間続いてきたことを示しているという。今回の研究結果により、人間の原始社会における人間関係が明らかになるかもしれない。(c)AFP