【2月13日 AFP】完ぺきなスイングを維持したいなら、ゴルファーはショットの合間にスイングについてあれこれ考えたり話したりすべきではない。ゴルフ発祥の地スコットランド(Scotland)のセントアンドルーズ大学(University of St. Andrews)がこうした研究結果を前月発表した。

 研究を指揮したマイケル・アンダーソン(Michael Anderson)教授は「スポーツでは考えすぎるとうまく動けなくなるのは極めて常識だが、驚きだったのは、終わったプレーに関して一言でも発すると、その後のプレーに大きな悪影響が出たことだ」と語る。

 同大の心理学者らは、初心者およびベテランのゴルファー計80人に対し、連続して3回ホールインするまでパットを続けてもらい、その後に5分間の休憩を与えた。この5分の間に、あるグループには今したばかりのパットについて話してもらい、ほかのグループには別のことをしてもらった。

 休憩後に再び、連続3回ホールインするまでパットしてもらったところ、休憩時間にパットについて話したグループがホールインまでにかかったパット数は、別のことをしていたグループの2倍近くに達した。この影響はベテランで特に顕著に見られ、パフォーマンスは初心者並みにまで低下した。

 その一方で、初心者の方は、休憩時間にパットについて話しても、その後のプレーにはほとんど影響がなかったばかりか、逆にプラスに働いたようなケースも見られた。

 研究チームは、こうしたパフォーマンスの低下は「バーバル・オーバーシャドーイング効果」と呼ばれる作用によるものだと分析している。これは、ゴルフのスキルの発揮よりも、言語に脳の働きが集中させられてしまう効果だ。 

 アンダーソン教授によると、この効果に関する別の研究では、自分の知覚体験を歯切れ良く説明する経験を積んだ人では、パフォーマンスには影響が出ないことが示されているという。「だから、自分のスキルについて上手に説明する経験を積んだプロゴルファーは、試合の合間にパットについて話してもパフォーマンスへの影響を受けにくいのだろう」と教授は語った。(c)AFP