【2月1日 AFP】マレーシアの考古学者グループは31日、同国で発見された石器群が180万年以上前に使われていたものであり、東南アジアで活動していた人類の祖先についての最古の証拠だと考えられると発表した。

 この手斧型の石器群は前年、マレーシア北部ペラ(Perak)州レンゴン(Lenggong)で、いん石の影響を受けて形成された岩石の混じる層の中で発見された。石器の周辺の岩石の標本を日本に送り年代が測定された。

 考古学者チームのリーダーを務めるマレーシア科学大学(University of Science)のMokhtar Saidin氏はAFPの取材に、「岩石が183万年前のものだとの結果を日本から2週間前に受け取った。つまり183万年前に人類がそこに存在していたということだ」と語った。

 Saidin氏は手斧型石器群について、旧石器時代の文化として東南アジア地域で最古のものだと述べ、石器を使っていたのは絶滅したホモ・エレクトス(homo erectus)の可能性が高いと指摘した。

 隣国インドネシア・ジャワ(Java)島で見つかった最も古いホモ・エレクトスの化石は170万年前のものだという。また、グルジアでは180万年前のホモ・エレクトスの化石が、中国では170万年前から180万年前の化石が見つかっている。

 Saidin氏は、「発見された石器群は、グルジアや中国の(ホモ・エレクトスの)化石より古いものだが、あくまで道具にすぎない。調査を継続して骨の化石発見を目指したい」と今後の調査に意欲を示した。

 これまでにマレーシアで発見された最も古い人類の化石は、1991年に発見された1万1000年前の「ペラ人(Perak man)」の化石。(c)AFP