【1月29日 AFP】地球から約200光年離れたある太陽系外惑星が楕円軌道上を恒星に最接近するたびに、その表面温度が数時間にわたり700度も高くなるという研究結果が、28日発表された。

 米カリフォルニア大学(University of California)の研究チームは、太陽系外惑星「HD80606b」が恒星に最接近した前年11月30日、米航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)から最接近の前後数時間の赤外線データを集めて、この惑星の画像を生成した。太陽系外惑星としては、これまでで最も精密な画像だという。三日月状の赤い部分は恒星に面した側、青い部分は恒星の反対側を示す。

 このデータを分析したところ、惑星が恒星の背後を通過した直後に、表面温度が1227度に達することがわかった。これは溶けた溶岩よりも高い温度だ。

 このとき大気が熱せられて膨張し、自転の影響も受けて風速が秒速5キロという猛烈な嵐が誕生。暴風が昼の側から夜の側へ流れている様子もとらえられている。恒星から遠ざかり表面温度が低くなると、嵐も収束していく。

 なお、太陽系外惑星で気候の変化をリアルタイムに観測したのは、今回が初めてという。

 HD80606bは、木星の4倍の質量を持つ巨大なガスの塊で、天の川銀河系では最も大きな惑星だ。楕円軌道で、恒星の周りを114日周期で公転している。また、いわゆる「ホット・ジュピター」の1つで、同じ面が常に恒星側に向いた状態で自転する。(c)AFP