【1月15日 AFP】国連(UN)が2009年を「世界天文年」に定めたのを記念し、パリ(Paris)の国際教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)本部で15日、開幕記念式典が行われるが、開幕記念行事のプログラムの1つとして15日から16日にかけて、33時間に及ぶ史上最大規模の観測デモンストレーションが行われる。

 世界中の天文学者らは、「J0204+1514」「0234+285」「3C395」の3つのクエーサー(準恒星状天体)を追う。午前8時GMT(日本時間午後5時)、オーストラリア、中国・上海(Shanghai)、日本の情報通信研究機構(NICT)鹿島宇宙技術センターから観測を開始する。

 豪州連邦科学産業研究機構(Australian Commonwealth Scientific and Research OrganisationCSIRO)の天文学者、クリス・フィリップ(Chris Phillips)氏によると、今回の観測は、世界中から17基の望遠鏡と28か所のデータ基地の協力で行われる、史上最大規模の観測だという。

 CSIROからは望遠鏡2基と、同機構外部の大学が所有するパラボラアンテナが参加。アジア、欧州、北南米からも関係機関が参加している。

 アジアとオーストラリアから同時に送信されたデータは、専用のスーパーコンピューターに蓄積され、解像度の極めて高い宇宙の電波画像が作製される。フィリップ氏によると、最先端の光学望遠鏡でとらえた画像の100倍程度、解像度が高いという。(c)AFP