【11月14日 AFP】アフリカ大陸の通信技術の未来を担って前年に打ち上げられたナイジェリアの通信衛星「NIGCOMSAT-1」が、技術的な問題で10日に稼働停止された。関係者が12日明らかにした。

 ナイジェリア通信衛星社(Nigerian Communications Satellite)は、通信衛星が宇宙で「行方不明になった」とのメディアの憶測を否定。「バッテリーの異常な放電が確認されたことから、影響緩和と改修作業のために電源を落とし、緊急モードに設定した」との声明を発表した。

 2億5700万ドル(約250億円)を要した中国製の衛星は、2007年5月に中国から打ち上げられた。ナイジェリアに通信革命をもたらすのみならず、アフリカ各地の辺ぴな村落への電話、テレビ、インターネットの導入も可能にしてくれるものとの期待されていた。また、安全保障上の情報収集のほか、油田やガス田の探査にも活用されることになっている。

 衛星の寿命は約15年で、アフリカのほか、中東とアジアの一部も通信の対象エリアとなっている。ナイジェリアは2003年にも、ロシアの支援で気象衛星を打ち上げている。(c)AFP