【10月20日 AFP】米国の典型的な核家族は携帯電話を持ち、インターネットを利用し、自宅に複数のパソコンを所有しているとする調査結果が19日、発表された。

Networked Families(ネットワーク化された家族)」と題されたこの調査を行ったのは、米調査会社ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト(Pew Internet and American Life Project)。2007年12月から今年1月にかけて、米国内の成人2252人を対象に、夫婦と未成年の子どもから成る典型的な核家族世帯と、これに該当しないそのほかの形態の家族(一人暮らし世帯、血縁関係にない者同士の同居世帯、子どものいない夫婦世帯)について、携帯電話とインターネットの使用状況を比較した。

 その結果、核家族世帯の89%が複数の携帯電話を持っており、半数近くが3台以上所有していることが分かった。また、自宅に高速ブロードバンド環境を備えた核家族世帯は、米国平均の52%を上回る66%だった。

 また、夫婦と少なくとも子ども1人がネットを利用すると答えた世帯は65%に上り、核家族世帯の58%がパソコンを2台以上所有していた。

 最新技術の普及が家族の連帯感を阻害するとの意見もあるが、調査の共著者、トロント大学(University of Toronto)のトレーシー・ケネディ(Tracy Kennedy)氏は、こうした懸念とは逆に、携帯電話やインターネットといった最新テクノロジーを軸に家族の新たなきずなの形態が出現していると指摘する。

「家族同士は頻繁に携帯電話で連絡を取っており、忙しい生活の中で家族生活を調整するために携帯電話を利用している」(ケネディ氏)

 同調査によれば、42%の親子が日常的に携帯電話で連絡を取り合っており、親子間の連絡手段として最も利用されているのは携帯電話だった。

 このほか、同調査によって、テレビ視聴の低下がインターネットに起因することも明らかになった。

 ほぼ毎日テレビを見ると回答したのは成人の74%に上るが、18歳から29歳に限れば58%まで減少する。また29%が、インターネットを利用するようになって、テレビを見る時間が減ったと答えている。(c)AFP