【10月4日 AFP】インド洋と太平洋のサンゴの大きな脅威となっている「天敵」のオニヒトデが、実はこれまでに考えられていた1種類ではなく、4種類だったことが明らかになった。
 
 学名「Acanthaster planci」、体をトゲに覆われたオニヒトデはサンゴのポリプにとりつき消化してしまう。過去30年以上、この地域のサンゴの危機的状況を悪化させてきた。

 9月30日に英専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に発表された論文によると、世界最大のサンゴ礁であるオーストラリアのグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)でこのオニヒトデが大発生したことがきっかけで、オニヒトデに関する研究の大半は太平洋で行われてきた。

 しかし、DNA研究者らが世界各地から集めた標本を検討したところ、オニヒトデは1種類ではなく、4種類だったことが判明した。生息域は太平洋のほか、紅海、インド洋北部、同南部に広がっていた。今回の発見は、サンゴの保護にとって重要だと研究チームは評価している。

 異なる種は異なる生息域を好み、生殖様式や食習慣も異なると考えられているが、このことがオニヒトデの爆発的発生につながったとの仮説が立てられるという。チームではさらに検証が必要だとしている。

 論文はドイツ・ゲッティンゲン(Goettingen)にあるゲオルグ・アウグスト大学(Georg-August University)のGert Woerheide氏が中心となって執筆された。(c)AFP