【9月27日 AFP】(一部更新、写真追加)25日に打ち上げられた中国の有人宇宙船「神舟7号(Shenzhou VII)」に搭乗している宇宙飛行士が27日、中国初となる船外活動(宇宙遊泳)を行った。中国の国営メディアが伝えた。中国は、米国、旧ソ連に続き、船外活動の偉業を達成した3番目の国となった。

 タク志剛(タクは「羽」の下におおとり、Zhai Zhigang)飛行士(41)は中国時間午後4時45分(日本時間午後5時45分)、神舟7号から飛び出し宇宙遊泳を開始。約15分後に宇宙船に戻り、中国初となった船外活動は無事終了した。

 中国の有人宇宙飛行は3回目。船外活動は往復を入れ68時間の今回の旅程の目玉となっており、中国が宇宙開発において次に目指している宇宙ステーション建設に向けて重要な1歩と位置づけられている。

「いい気分だ」。タク飛行士は船外に設置されたカメラに向かって手を振り、「中国のみなさん、そして世界中のみなさんにあいさつします」と述べた。船外に出た直後には、中国国旗を取り出して振って見せた。

 中国国営新華社通信(Xinhua)によると、船体の「軌道モジュール」の外側に設置された固体潤滑剤の実験用サンプルに向かって、タク飛行士はゆっくりと移動した。サンプルを手にすると、軌道モジュールで待機し、タク飛行士の動きを注意深く見守っていた同僚の劉伯明(Liu Boming)飛行士にその固体潤滑剤を手渡した。

 宇宙遊泳は当初20分間実施される予定だったが、時間短縮の理由についてはこれまでのところ説明されていない。

 また、胡錦涛(Hu Jintao)中国国家主席は、北京航天飛行控制センター(Beijing Aerospace Control CenterBACC)を訪れ、タク飛行士の宇宙遊泳の様子を生中継で見たという。(c)AFP