太陽系は円形ではなく卵形、NASA研究
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【7月4日 AFP】あらゆる教科書に円形軌道で描かれる太陽系。米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機ボイジャー(Voyager)2号から送信されたデータを検証した結果、その描写がすべて誤りだったことがわかった。
2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究結果によると、太陽の影響が及ぶ範囲は太陽圏と呼ばれているが、その外周は円形ではなく、著しい非対称の楕円(だえん)を描いている。
太陽圏は太陽風、つまり太陽から放出される粒子によって支配される領域で、その範囲は太陽から約60億キロ離れて公転する冥王星の軌道を越える。
1977年に打ち上げられたボイジャー2号は先ごろ、この太陽圏の果てであり、星間空間との境界にあたる「ターミネーション・ショック」を通過した。
一方、同年に打ち上げられた姉妹機ボイジャー1号はすでに4年前、太陽からさらに15億キロ遠い地点でターミネーション・ショックを通過している。両機の通過点の違いから、太陽圏は完ぺきな円形ではなく、卵のような楕円形であることが明らかになったという。
卵の「底辺」にあたる部分は、絶え間ない粒子の衝突で平らになっている。太陽圏から外側に流れる太陽風と、星間空間からの原子の残がいが衝突し合うためだろう、と専門家は仮説を立てている。
さらに、ボイジャー2号が1日に数回にわたってターミネーション・ショックを通過していることから、星間空間との境界線が潮の満干のように常に変化していることも明らかとなった。
ボイジャー計画に携わったアリゾナ大学(University of Arizona)のランディ・ジョキピ(Randy Jokipii)教授(天文学)は、ターミネーション・ショックの通過を「惑星探査の新時代の幕開け」とし、「そこから得られる一連のデータにより、太陽と銀河系の関係理解に革命がもたらされた」と語った。(c)AFP
2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究結果によると、太陽の影響が及ぶ範囲は太陽圏と呼ばれているが、その外周は円形ではなく、著しい非対称の楕円(だえん)を描いている。
太陽圏は太陽風、つまり太陽から放出される粒子によって支配される領域で、その範囲は太陽から約60億キロ離れて公転する冥王星の軌道を越える。
1977年に打ち上げられたボイジャー2号は先ごろ、この太陽圏の果てであり、星間空間との境界にあたる「ターミネーション・ショック」を通過した。
一方、同年に打ち上げられた姉妹機ボイジャー1号はすでに4年前、太陽からさらに15億キロ遠い地点でターミネーション・ショックを通過している。両機の通過点の違いから、太陽圏は完ぺきな円形ではなく、卵のような楕円形であることが明らかになったという。
卵の「底辺」にあたる部分は、絶え間ない粒子の衝突で平らになっている。太陽圏から外側に流れる太陽風と、星間空間からの原子の残がいが衝突し合うためだろう、と専門家は仮説を立てている。
さらに、ボイジャー2号が1日に数回にわたってターミネーション・ショックを通過していることから、星間空間との境界線が潮の満干のように常に変化していることも明らかとなった。
ボイジャー計画に携わったアリゾナ大学(University of Arizona)のランディ・ジョキピ(Randy Jokipii)教授(天文学)は、ターミネーション・ショックの通過を「惑星探査の新時代の幕開け」とし、「そこから得られる一連のデータにより、太陽と銀河系の関係理解に革命がもたらされた」と語った。(c)AFP