【6月23日 AFP】米国の研究チームは心筋細胞を生み出すことのできる幹細胞のグループを発見した。22日のネイチャー(Nature)オンライン版で発表された。

 研究チームによると、これらの幹細胞は心臓の最外層に存在しており、今後、損傷した心臓組織の再生に重要な役割を果たす可能性があるという。

 これに先立ち2つの画期的な発見があった。1つ目は2006年、ある研究チームがNkx2-5と呼ばれる遺伝子の発現により特徴付けられる、別の心臓幹細胞の存在を突き止めた。これらの幹細胞は左心内で心筋あるいは血管内皮細胞になる。

 2つ目は、これに並行して米国の別の研究チームが、右心で同じ細胞型を生産する心臓前駆細胞を発見した。この細胞はさまざまな組織に発達するためそう呼ばれる。

 マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)にある小児病院の小児心臓専門医William Pu氏が主導した今回の研究では、発見された第3の心臓幹細胞から新たな心臓幹細胞が派生することが初めて明らかになった。この心臓幹細胞は心外膜に存在し、Wt1と呼ばれる遺伝子の発現によって特定できる。

 この研究結果はカリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California in San Diego)の研究チームによっても別途確認されており、その結果もネイチャーの同じ号に掲載されている。(c)AFP