【6月19日 AFP】19日発表の米保健福祉省研究公正局(Office of Research IntegrityORI)が行った調査報告で、科学者による研究データの改ざんやねつ造、盗用などは、発覚しているものよりもはるかに多いことが明らかになった。

 この報告によると、調査対象となった全米605か所の大学・研究機関の研究者2012人のうち、約9%に当たる192人が、過去3年間に学術上の不正行為を目撃したと回答したという。そういった不正行為の件数は合計265件に上り、その多くが確実な証拠によって裏付けられるという。

 その一方で、そうした不正行為が関係機関に報告されるのは全体の60%以下で、ORIへの報告に至ってはそれ以下の割合になるという。ORIに提出される不正行為の調査報告は年間平均わずか24件に過ぎない。

 不正行為を目撃したものの報告をためらう理由としては、目撃したことについて確信がないことや報復の心配、同僚への同情などさまざまなものがあるという。大学や研究機関も、スキャンダルの発覚や助成金などの打ち切りを恐れ、不正行為の調査をうやむやにしてしまうことがあると指摘されている。(c)AFP