【6月9日 AFP】火星探査機フェニックス・マーズ・ランダー(Phoenix Mars Lander)のミッションを担当する米アリゾナ大学(University of Arizona)の研究チームは7日、同機が火星地表から採取したサンプルについて、密度が非常に高いためフェニックス内蔵の装置では分析できない状態だと明かした。フェニックスが採取したサンプル200ミリリットルのうち、分析が可能なものはほとんどないという。

 研究者らは地表のサンプルをTEGAと呼ばれる装置で分析し、微生物が生息していた可能性の有無を確認することを目指しているが、フェニックスがロボットアームで採取したサンプルからTEGAは何の物質も検出できなかった。サンプルの密度が高すぎるためとみられるという。

 ミッションの主任科学者の1人レイ・アービッドソン(Ray Arvidson)博士は「サンプルは凝集しすぎていて、検査に必要な細かい顆粒状になっていなかったのだと思う」と指摘した。 

 6日にフェニックスが撮影した映像では、TEGAのサンプルポート上にサンプルの塊があることが確認されている。

 TEGAは、1ミリメートル以下の大きさのサンプルを、赤外線によって検査できるように設計されているという。(c)AFP