【5月28日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は27日、通信上の問題で火星探査機フェニックス(Phoenix Mars Lander)の試験運転を延期すると発表した。

 地球からのデータや指示をフェニックスに中継する周回火星探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance OrbiterMRO)」のUHF無線通信が「一時的障害」のためできなくなった。カリフォルニア(California)州パサデナ(Pasadena)にあるNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)の火星探査計画マネジャーのFuk Li氏が明らかにした。

 この障害で、火星表面を掘削して氷や土を採取するロボットアーム(2.35メートル)の運転開始が延期となった。

 Li氏はMROの通信障害の原因として、高速の宇宙線粒子が衝突した可能性があるが確実とは言えない、現在、科学者チームが解明に当たっていると説明した。

 一方で、「原因がMROにあるのは確かだ」と述べ、フェニックスに問題がないことを強調。別の周回探査機「オデッセイ(Odyssey)」も使用できるため、この障害で計画自体の進行が妨げられることはないとした。

 フェニックスは火星に3か月間滞在し、土や氷を採取して生命の存在の可能性を探る。(c)AFP