【5月27日 AFP】もし長生きをしたいと願うなら、カロリー制限やヒト成長ホルモンに頼るよりも、若者と共に過ごすことが有効かもしれない。米アイオワ大学(University of Iowa)の研究チームが25日、そんな実験結果を発表した。

 この実験は、果実類の害虫として知られるハエの一種、ミバエを用いて行ったもの。研究では通常より短命のミバエの変種を育成し、これを若いミバエと同じ容器に入れ観察した。同様に変種ミバエと年老いたミバエを入れた容器でも経過観察を行った。

 その結果、若いミバエの容器に入れられた変種は、年老いたミバエと一緒の変種よりも2倍長く生きたという。その後の実験で、若いミバエと共に過ごした変種は身体反応も良く、ストレス環境への耐性も強いことが判明した。
 
 このことから、少なくともミバエに関しては、若い個体との相互関係が生理学的な利点になるといえると、アイオワ大のチョンファン・ウー(Chun-Fang Wu)教授は語る。

 その具体的なメカニズムは解明されていないが、変種ミバエが若いミバエとの生活に適応するための生理学的な変化が、老化による酸化ストレスに弱いという変種ミバエの遺伝的欠陥を補ったのではないかと、ウー教授は推測している。

 ウー教授らの研究結果は、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)で発表された。(c)AFP/Louise Daly