【4月8日 AFP】あなたの赤ちゃんの背が高くなるかどうか知りたいですか?

 ヒトゲノム(人間の全遺伝情報)を徹底的に調べ、身長に関係する重要な遺伝子群を発見した英国南西部エクセター(Exeter)のペニンシュラ医学校(Peninsula Medical School)の研究チームによる論文が、6日発行の科学誌「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」で発表された。
 
 研究チームは、欧州系の3万人以上から遺伝子のサンプルを集め、身長を決定する遺伝情報に共通の差異があるかどうかを調べた。その結果、身長に最大6センチの違いをもたらす新たな20の遺伝子座が発見された。

 遺伝的および環境的要因に支配される肥満とは違い、身長はほぼ完全に遺伝的要因で決定される。

 通常の身長の差異の90%は栄養ではなくDNAの遺伝情報に左右される。発見された20の遺伝子座はこの90%のうちの約3%を占める。研究チームは前年9月、これとは別に0.3%を占める遺伝子変異体を発見している。

 新たに発見された20の遺伝子座のうち、幾つかはよく知られたもので、その働きについては集中的に研究されている。がん研究に有益とみられる細胞分裂に必要不可欠な遺伝子、ほかの遺伝子の機能を有効にしたり無効にしたりするスイッチのような役割を果たす遺伝子、細胞間の信号伝達の役割を果たす遺伝子などがそうだ。一方、発見された遺伝子座の約半数は、これまで全く知られていなかったもの。

 研究チームのTim Frayling氏は、「われわれが発見した遺伝子座の数と多様性は、身長が単に長骨内で作用している遺伝子によって決定されるわけではないことを示している」とし、「どの遺伝子が正常な成長に関与するのかを特定することで、身長だけでなく、腫瘍(しゅよう)などの異常な成長につながる過程を理解することができる」と説明する。

 統計的には、身長の高い人は例えば前立腺、ぼうこう、肺など特定の種類のがんに、身長の低い人は心疾患にかかりやすい傾向にある。(c)AFP