「地球上の生物進化は20億年停止していた」米研究報告
このニュースをシェア
【3月28日 AFP】地球上の生物の進化は20億年近く停止していたとする研究結果が、26日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。
研究を発表したのは、カリフォルニア大学リバーサイド校(University of California Riverside、UCR)のTimothy Lyons教授らからなる国際研究チーム。酸素や海水中における重金属モリブデンの欠乏で進化が進まなかった時期が20億年にわたって存在した、と主張している。
これまでの定説では、約24億年前に大気中の酸素が爆発。その直後に海が酸素に満たされ、これが地球上生物誕生の大きな引き金となったとされてきた。だが多細胞生物が誕生したのは約6億年ほど前だ。なぜ多細胞生物の誕生まで20億年近くもかかったのか。
■バクテリアの栄養素不足で長期の停滞
今回の研究では、海中で発見された有機物に富む古代の黒色泥岩層の中に、その答えを見つけたとしている。長期間にわたり、バクテリアの微量栄養素となるモリブデンの量が少なかったというのだ。
モリブデンは、バクテリアが大気中の窒素を生物に有効な形に変える「窒素固定」という過程を促進する。モリブデンが不足すると、バクテリアは窒素を効率よく固定できない。
新説では、このモリブデンの不足が@@@窒素吸収をバクテリアに依存する多細胞生物に影響し、約20億年の間、進化が止まったとしている。
シナリオはこうだ。24億年前の大気中の酸素の爆発では、海洋生物のうち表層で酸素を取り込み光合成をするバクテリアには酸素が供給されたが、比較して海の深い部分には酸素は届かないままだった。
黒色泥岩層中に残るモリブデンから、次の段階に進んだのは6億年前だと考えられる。この時、海全体に酸素が行き渡り、多細胞の真核生物の誕生が可能となり、やがて植物や動物、人類といった複雑な生物へと発展していったという。(c)AFP
研究を発表したのは、カリフォルニア大学リバーサイド校(University of California Riverside、UCR)のTimothy Lyons教授らからなる国際研究チーム。酸素や海水中における重金属モリブデンの欠乏で進化が進まなかった時期が20億年にわたって存在した、と主張している。
これまでの定説では、約24億年前に大気中の酸素が爆発。その直後に海が酸素に満たされ、これが地球上生物誕生の大きな引き金となったとされてきた。だが多細胞生物が誕生したのは約6億年ほど前だ。なぜ多細胞生物の誕生まで20億年近くもかかったのか。
■バクテリアの栄養素不足で長期の停滞
今回の研究では、海中で発見された有機物に富む古代の黒色泥岩層の中に、その答えを見つけたとしている。長期間にわたり、バクテリアの微量栄養素となるモリブデンの量が少なかったというのだ。
モリブデンは、バクテリアが大気中の窒素を生物に有効な形に変える「窒素固定」という過程を促進する。モリブデンが不足すると、バクテリアは窒素を効率よく固定できない。
新説では、このモリブデンの不足が@@@窒素吸収をバクテリアに依存する多細胞生物に影響し、約20億年の間、進化が止まったとしている。
シナリオはこうだ。24億年前の大気中の酸素の爆発では、海洋生物のうち表層で酸素を取り込み光合成をするバクテリアには酸素が供給されたが、比較して海の深い部分には酸素は届かないままだった。
黒色泥岩層中に残るモリブデンから、次の段階に進んだのは6億年前だと考えられる。この時、海全体に酸素が行き渡り、多細胞の真核生物の誕生が可能となり、やがて植物や動物、人類といった複雑な生物へと発展していったという。(c)AFP