【3月25日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は20日、地球から75億光年離れた恒星の爆発を観測衛星がとらえたと発表した。地球から肉眼で観測できる爆発の光としては最長の距離のものだという。

 衛星スウィフト(Swift)が19日に「うしかい座」の位置にとらえたガンマ線によると、爆発は地球から「宇宙の果て」までの距離のほぼ中間点にあたる、75億光年離れた場所で起きた。これまで肉眼で見えた物体の地球からの距離の最長は、M33銀河の290万光年だった。

 ガンマ線爆発は強烈な光を発する激しい爆発の1つ。巨大星がエネルギーを使い果たして核が崩壊し、ブラックホールや中性星が生成された際にガンマ線バーストが起き、光速で粒子をまき散らすと同時に残光を発生させる。

 今回のガンマ線爆発は、スウィフトがこれまでに観測した中で最も強力なもの。19日は、奇しくも、英国のSF小説の巨匠、アーサー・C・クラーク(Arthur C. Clarke)さんが没した日。スウィフトチームのあるメンバーは「クラークさんの死が、宇宙をガンマ線爆発で燃え上がらせたようだ」と語っている。(c)AFP