【3月13日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトル(Space Shuttle)に代わる有人宇宙船として開発中の「オリオン(Orion)」の飛行実験のため、実物大の構造モデルを完成させた。

 NASAは年内に、この実物大モデルを使って、オリオン打ち上げが中断した場合を想定した緊急脱出システムの動作実験を行う。飛行士の安全かつ確実な脱出方法を検証することが目的。

 実験で使用される実物大モデルは、オリオンの実際の大きさや外形、質量特性を正確に模したもので、バージニア(Virginia)州ハンプトン(Hampton)のラングレー研究センター(Langley Research Center)で建造された。

 同センターでの試験が完了したのち、実物大モデルはカリフォルニア(California)州エドワーズ(Edwards)のドライデン飛行研究センター(Dryden Flight Research Center)に移され、飛行コンピューターほか電子機器の取り付けなど実験のための準備が続けられる。

 実物大モデルはニューメキシコ(New Mexico)州のホワイトサンズ・ミサイル実験場(White Sands Missile Range)で緊急脱出システムと接続される。その後、模擬打ち上げ台に設置され、同システムが正常に作動するか確認するための一連の実験が行われる。

 NASAの宇宙計画「コンステレーション計画(Constellation Program)」は、宇宙に人員を送る次世代宇宙船としてオリオンの開発を進めており、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)への有人飛行は2015年、月へは2020年を目標にしている。(c)AFP