【3月12日 AFP】南アフリカのウィットウォータースランド大学(Witwatersrand UniversityWits)は11日、絶滅したホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)に似た化石をミクロネシアのパラオ(Palau)諸島で発見したと発表した。報告は今週の米電子ジャーナル「PLoS One」にも掲載される。

 洞穴で暮らしていた身長1メートル強のこの人類は、1400-3000年ほど前に生存していたとみられている。2004年にインドネシアのフロレス(Flores)島の洞穴で化石が発見され、英国の作家J・R・R・トールキン(J.R.R. Tolkien)の小説に登場する小人「ホビット」の愛称がつけられた「ホモ・フロレシエンシス(フロレスの人の意)」と特徴が似ているという。「ホビット」はその分類をめぐり、物議を呼んでいる。

 今回の化石は2006年、南アフリカの古人類学者Lee Berger氏がパラオ諸島を旅行中に初めて発見した。同氏は「パラオの化石は当初『ホビット』を新種の人類として説明するのに使われた特徴を非常に多く備えている」としている。これらの特徴の中には小さな体、大きな歯、小さな顔、未発達なあごなどが含まれる。

 最初の発見の後、Berger氏、米デューク大学(Duke University)とラトガース大学(Rutgers University)の科学者、Witsの学生からなるチームは、米地理学協会(National Geographic Society)の支援を受け、さらなる調査を行った。

「われわれが発見したものは、最も経験豊富なメンバーや同行したパラオ当局者をも驚がくさせた」とBerger氏は語る。

 共著者でWits博士課程のBonita de Klerk氏は「Berger氏が最初に化石を発見した洞穴には、文字通り何十体もの化石があった。発掘の際、その場所の砂自体が人骨が砕けたものでできていた」としている。

 別の洞穴でも大量の骨が発見され、Berger氏はさらなる調査の必要性を主張している。(c)AFP