【2月22日 AFP】天文学者からなる国際観測チームは21日、宇宙の謎とされる「暗黒物質」について、過去最大規模の地図の作成に成功したと米誌「Astronomy and Astrophysics(天文学と天体物理学)」に発表した。

 19人からなるチームは、ハワイ(Hawaii)にあるカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(Canada-France-Hawaii telescope)を使い、銀河系の2000倍以上の大きさに相当する2億7000万光年の範囲に広がる暗黒物質をとらえ、地図を作成した。

 宇宙は、その約5分の1が暗黒物質で構成されていると考えられている。現在の技術では直接観測は不可能だが、暗黒物質が光に働きかける引力によって間接的に認識することならできる。

 これはアルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が発表した重力レンズ効果に基づく技術で、遠く離れた銀河から発せられた光は、宇宙空間を通ってわれわれの銀河系に到達するまでに、暗黒物質によって屈折させられるという現象を利用するものだ。

 パリ天文物理学研究所(Paris Institute of Astrophysics)のマーティン・キルビンガー(Martin Kilbinger)氏は今回の発見について、「測定した暗黒物質の大きさは現在の観測能力の限界と一致する」と述べ、実際はさらに大きい可能性を示した。(c)AFP