【12月17日 AFP】(18日写真追加)非政府組織(NGO)の国際環境団体「コンサベーション・インターナショナル(Conservation InternationalCI)」は17日、インドネシアのパプア(Papua)州ホジャ(Foja)山脈の「秘境」で、新種とみられる2種のほ乳類を発見したと発表した。また調査隊は希少種の鳥類の求愛行動の記録にも初めて成功した。

 CIとインドネシア科学院(Indonesia Institute of ScienceLIPI)の調査隊は2007年6月、同山脈で2005年に引き続き2回目となる調査を実施した。2005年の調査では新種の動植物数十種類が見つかっており、周辺は最後の「秘境」ともいわれる。

 CIは「6月の探検で、観測隊は2種類のほ乳類を発見した。世界最小の有袋類の一種、Cercartetus pygmy possumというポッサムと、大型のラットMallomys giant ratで、いずれも現在分析中だが新発見であることは間違いない」と発表した。

 今回見つかったラットは通常のネズミの5倍の大きさで、数回にわたりキャンプに出没した。人間を恐れる様子はまったくなかったという。

 調査隊を率いたブルース・ビーラー(Bruce Beehler)CI副代表は「地球上に手付かずの自然が残っている土地があるということが分かって安どしている。この小さな『エデンの園』が、われわれが初めて調査に訪れたときの原始的な魅力を保っていたことに感激した」と述べた。

 フォジャ山脈は道路が入り込んでいない熱帯林としてはアジア太平洋地域で最大のマンベラモ(Mamberamo)川流域の盆地の一部で、インドネシア政府はこの地域を野生保護区に指定している。

 今回、米CBSニュースの撮影班が調査隊に同行し、その模様を16日に放送した。希少なニワシドリやゴクラクチョウの求愛行動も映像に収めた。

 CIとLIPIは2008年末から2009年に、調査が行われていない高地と山頂付近での3回目の調査を予定している。新種のカエル、ほ乳類、チョウ、植物の発見が期待されている。(c)AFP