【12月3日 AFP】米ジョンズホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)の科学者らは2日、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜に含まれる物質が遺伝性皮膚疾患の治療に効果が期待できるとする研究結果を、第47回米細胞生物学会(American Society for Cell Biology 47th Annual Meeting)で発表した。

 このスルフォラファンと呼ばれる物質は、がんの発生を抑えることですでに知られているが、Pierre Coulombe氏率いる研究チームは、同物質が単純型表皮水疱(すいほう)症(EBS)の治療に非常に有望であることを発見した。これまでのところ、この症状に対する効果的な治療法はない。

 EBSの患者に対してスルフォラファンの臨床試験を行うまでには克服すべきことが多いが、Coulombe氏は「スルフォラファンを多く含む発芽ブロッコリーの抽出液はヒトの皮膚に安全であることが確認されている」と強調する。

 EBSは遺伝性疾患で、摩擦などにより外傷ができた皮膚に水疱ができる症状をいう。(c)AFP